
【開業日記】古民家宿「Tabi湊」、2月にオープンしました。探り探りですが、日々進化中です。
こんにちは。
茨城県ひたちなか市で「古民家宿Tabi湊(たびみなと)」という古民家宿を営んでいるKです。
2025年2月、那珂湊の一角にある築50年ほどの古民家を改修して、小さな宿をオープンしました。
名前の「湊」は、この町の海と港、そして人が行き交い、繋がる場であることを願って名付けました。
宿の形が整ってきた今、これまでの歩みや、今感じていること、そしてこれからどんなふうに育てていきたいか。
ここで少し、綴ってみたいと思います。

なぜ「那珂湊」で宿をやることにしたのか
もともと、私はこの地域の出身ではありません。
それでも「那珂湊」という町に初めて足を踏み入れたときの感覚を、今でもはっきり覚えています。
目の前に広がる昔ながらの商店街。
通りの奥からふわっと香る干物や磯の匂い。
路地の先には港と市場が広がり、観光地らしさと生活の気配が同居している、不思議な空気。
ここは「観光地」だけではない、地元の人たちの毎日がある町なんだ。
そう感じたことが、Tabi湊の構想の出発点でした。
旅人として訪れる町と、地元の人が暮らす町。
そのふたつが、もっと自然につながる場をつくれたらいいなと。
そんな想いから、宿を開くことを決めました。
築70年の古民家との出会いと、リノベーションのこと
宿として活用している建物は、那珂湊の中心部から少し奥まった静かな住宅街にある古民家です。
昭和の時代を思わせる木造平屋で、数年間空き家の状態になっていたところを、オーナーがリフォームしてくださいました。
最初に訪れたときは、畳も抜け落ちていて、壁は雨染みでボロボロ。
「本当にここを宿にできるのか?」という不安がよぎる一方で、
太い梁や、風通しのいい縁側の構造には、どこか懐かしくて心惹かれるものがありました。
何度も業者さんと相談しながら、修繕とDIYを繰り返し、
キッチンやトイレ、水回りは思い切って現代的にアップデートしてくださいました。
一方で、天井や柱、建具の一部はあえてそのまま残し、時の重なりを感じられるようにしています。
手探りで作ったこの空間は、派手な装飾はないけれど、どこか落ち着く。
「おばあちゃんの家に来たみたい」と笑ってくれるお客さんもいて、じんわりうれしくなります。
宿のいま:少しずつ、宿泊者とともに育てていく
Tabi湊は、最大8名まで宿泊できる一棟貸しの宿です。
友人グループや家族旅行、ちょっと贅沢なワーケーションなど、いろいろな用途で使っていただいています。
宿の料金は、たとえば3名様で1泊16,000円(税込)ほど。6名様で22000円程度と
人数が増えれば1人あたりの単価はぐっと下がります。
さらに、2泊以上で1泊500円オフ、6泊以上なら1泊1,500円オフと、長期滞在ほどお得になる設計にしています。
金曜日と土曜日に比べて平日はどんと安くしております。
特に最近は「親子3世代」での滞在や、「学生時代の友人たちとの同窓会旅行」などが多く、
キッチンで鍋を囲んだり、庭でBBQをしたり、ピザをテイクアウトしたり、まるで“実家に帰ったような感覚”を楽しんでもらっているようです。
そして、BBQはどんどん豪華に進化している。
当初から庭でBBQができるようにはしていたのですが、
「もっと美味しく・手軽に楽しめないか?」ということで、BBQセットを段階的に改良してきました。
グリルは本格派の厚鋼鉄板に。
炭やトング、火起こし器具一式はもちろん、テーブルや照明、鉄板もご用意しました。
手ぶらで来てもバッチリ楽しめるBBQができるようになりました。
特に、徒歩圏内にある那珂湊おさかな市場で新鮮な海産物を調達して、
そのまま浜焼きスタイルで食べるのが最高です。
地元の常陸牛や野菜をセットで提供するプランも、近隣の方と連携してできれば嬉しいです。
宿の快適さを求めて、地味な改善を続けています
開業してすぐ気づいたのは、「ふとん、意外と大事だな」ということ。
というのも、はじめに導入した敷布団が薄くて、数名の宿泊者から「ちょっと硬かった」とフィードバックをいただきました。
そこで現在は、敷布団を分厚く高反発のものに変更中。
使い捨てのアメニティも見直して、地元メーカーの上質なものを試すようになりました。
「豪華さ」ではなく、地味にうれしい快適さを積み重ねていきたいと思っています。
これから挑戦していきたいこと
少しずつ運営が安定してきた今、やってみたいことがたくさんあります。
- 地元食材を使った料理教室や体験型イベント
たとえば、干物作り体験、漬物ワークショップなど。「旅の思い出+学び」があるような時間を作りたいです。 - 地域との連携による宿泊特典やマップ配布
那珂湊商店街のお店とコラボして、宿泊者限定クーポンや、朝市ガイドなども検討中です。 - noteやSNSでの発信
宿の運営記録や、改善レポート、周辺スポットの紹介なども少しずつ書いていきます。
最後に:まだまだ未完成な宿だけれど
Tabi湊は、まだ“完成”していません。
というより、完成させるつもりもありません。
宿泊してくださる方々とのやりとりの中で、
毎回気づきがあり、改善があり、新しい可能性が生まれていく。
それが、小さな宿の面白さだと思っています。
那珂湊の町と、そこに息づく暮らしと、訪れる旅人たちの時間。
それがゆるやかに混じり合う場所を、少しずつ育てていけたらうれしいです。
これからも、気ままに更新していきますので、よければフォローしてください。
そして、いつかどこかで、「Tabi湊」でお会いできたら。
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